ベートーヴェン
ソナタ 第２３番 ヘ短調 作品５７ ”熱情”
（Sonata No.23 in F minor, op.57 "Appassionata"）
Andante con moto・Allegro ma non troppo - Presto
★★★★☆
穏やかな第二楽章から嵐の様な第三楽章へなだれこみます。
ＤＬ
（第一楽章、ppで始まってすぐにffになります。音量注意。）
月光・悲愴・熱情を合わせてベートーヴェン三大ピアノソナタと言います。
その三大ピアノソナタの中で一番緻密に作られているのが、この熱情。
ベートーヴェンのピアノソナタ全体で見ても最高傑作と言って過言ではありません。
第一楽章には『交響曲第五番 運命』のジャジャジャジャーンっ！！に似た部分も出てきます。
ピアノ版運命とも言える曲なので、月光や悲愴より少し難しい感じがするかもしれませんね。
ゆるやかな第二楽章は連続して第三楽章になだれこみます。
５分５３秒くらいのffから第三楽章です。
（第三楽章の一番長いリピートは省略）
第二楽章を省き、第一楽章、第三楽章はどちらも暗い炎が燃える様な曲調。
そして最後には爆発的に燃え上がる様なフィナーレ。
曲全体が、一部激しくなる部分も穏やかになる部分も全てこのフィナーレを目指していくので、部分聞きは避けて頂きたいところなのですがっ、
どーしてもどーしても途中で退屈になってしまう方は、
第一楽章 → ７分２０秒くらい 〜 終わり
第三楽章 → ７分４０秒くらい（もしくは９分００秒くらい） 〜 終わり
をどうぞ（＾_＾；。。。
第三楽章は１０分２２秒くらいのPresto（プレスト：極めて速く）でイメージが変わります。
個人的には当然お薦め度★５つの曲。
でも、月光・悲愴の方が有名（だと思う・・・）ので★４っつ。。。
曲はブルンスヴィク伯爵に献呈。
『熱情』のタイトルは出版社がつけたものです。
ベートーヴェンは熱情なんてイメージで作った訳ではないかもしれません。
この曲を作った頃ベートーヴェンがどんな生活を送っていたのか、どんな心境だったと推測されるのか機会があれば調べてみて下さいませ。
全然イメージの違うこの曲が生まれてくるかも？
全音版：
ベートーベン
ソナタアルバム ２
初級・中級の方はピアノピースでも十分と思います。
上級の方はヘンレ版をお薦めします。
ベートーヴェン：ピアノソナタ 8番,14番,23番
エミール＝ギレリス
1938年、イザイ国際コンクール１位。
（現在のエリザベート王妃国際音楽コンクール・世界３大コンクールの一つ）
別名「鋼鉄のピアニスト」
完璧なテクニックの下に演奏される曲は、高貴さを漂わせます。
（２００８年 ９月 ７日/第ニ楽章・第三楽章ＵＰ）
音源：Miroslav philharmonik